ケトジェニック(ケトダイエット)は、高脂肪、中タンパク、超低糖質の食事法。短期間で体重を減らし、太らないライフスタイルに変えたいなら、ケトは最高の選択肢です。
ケトジェニックにも慣れてきたし、たまはワインも楽しみたいわ。お酒って飲んでもいいのか?知りたいな。
ケト中に、アルコール飲んでいい?
ケトーシス状態からキックバック(離脱)せずにお酒をたしなむ程度にしましょう。
ケトジェニック中は、ケトジェニストは我慢(最初は特に)を強いられます。それがストレスや不満の原因になる事も少なくありません。むしろ、最初は何らかのストレス状態になるはずです。
そんな時、友人たちとの語らいは、最高の気分転換。だけど、お酒は飲んでいいでしょうか?
OKです。ただし、条件は付きますが。
人生を楽しむために、数杯のアルコールを飲むことは、とても素敵なことです。でも、ケトジェニックの目的から逸脱しないように、基本的なことを再確認しておきましょう。
では、ケトーシスから離脱しないで、お酒とケトジェニックとの両立を模索してみましょう。
ケトーシスから離脱しないの?
ケトーシスから離脱するかしないかは、個人差が大きい。
甘いカクテルやビールには糖分がたくさん含まれていて、すぐにケトーシス状態を離脱してしまうことは明らかですが、ストレートのお酒やドライ(辛口)ワインも人によっては問題になることがあります。
ケトダイエット中の飲酒については、体内でアルコールが代謝される過程も考慮して、ケトーシス状態の体にどのような支障をきたすのかを考えなければなりません。あなたの健康と体はあなただけのもの。低炭水化物(糖質ゼロも含む)のアルコール飲料を飲んだとしても、あなたの反応が他の人と同じとは限りません。
大事なのは、自分の体の声に耳を傾けてあげること。それに合わせて、正直に行動すると良いと思います。
ウォッカソーダや甲類焼酎ソーダのような飲み物を飲んでみましょう。カロリーはほとんどなく、糖分もさらに少ないです。しかし、炭水化物(糖)を含まないお酒を使っていても、問題になるのはカロリーではなく、体がお酒をどのように処理しているかということです。
反応は、十人十色。もともと深酒はいけないわよね。
お酒の解毒は肝臓に負担
アルコールは1gあたり約7kcalなので、第四の栄養素と呼ばれたりします。しかし、「三大栄養素」の炭水化物、脂肪、タンパク質とは異なり、必須栄養素ではありません。生きるために必要なものではありません。
ケトダイエットでは、体は炭水化物の代わりに脂肪をエネルギーとして使いますが、肝臓には「脂肪をケトン体に変える」という作業が新たに発生します。ですが、飲酒してしまうと、肝臓はアルコールの代謝を最優先で始めます。なぜなら、アルコールは異物で、毒なので最優先で「解毒」しないといけないのです。
肝臓は脂肪燃焼ではなく、アルコールの解毒に全神経を集中させます。アルコールがすべて解毒されるまでは、肝臓は脂肪からケトン体を生成しません(その暇がありませんから)。これにより、脂肪燃焼が遅くなり、減量の目標が達成できなくなる可能性があります。
ポイントは、飲酒の頻度とアルコール度数。たまにしかお酒を飲まない人は、アルコールでケトダイエットのリズムが崩れることはないでしょうし、崩れても回復も早いと思われます。しかし、高糖質なビールや酒を飲んだり、頻繁に飲んでしまう場合は、ケトジェニックでの脂肪燃焼を大幅に遅らせる可能性があります。
飲酒の頻度を減らして、濃いお酒は飲まない。
お酒の習慣は、なかなか抜け出せないのよね。だから、習慣にしないようにしなきゃね。
ケトで酒には弱くなる
習慣的に飲酒していると、まずアルコール耐性が形成されます。 耐性とは同じ量の飲酒でもあまり酔わなくなってくることです。
ケトジェニックではない時は、飲酒しながら炭水化物を同時に食べて、酔いをコントロールすることができます。パスタやピザ、焼きおにぎりやラーメンには糖質がたっぷり含まれていて、アルコールの吸収を緩やかにしてくれます。
しかし、ケトジェニックを実践している時は、炭水化物をほとんど食べません。つまり、ケトダイエットでお酒を飲むと、アルコールがより早く処理され、酔いが回るのが早くなるのです。つまり、アルコール耐性が弱くなっているのです。
アルコール耐性が弱くなっている状態では、ケトでない時と同じ量を飲酒してはいけません。減量の成功より以前に、酷い二日酔いに悩まされることになってしまいます。
つい魔が差してしまう
健康的なケトジェニックを維持し継続するには、集中力と意志の強さが必要です。
でもお酒を飲んでしまうと、自制心や意志の力が弱まるもの。
宴会の終わりに、締めのラーメンを食べに行ってしまうようなことになってしまいます。完全に自制心を失い、悪魔の囁きに従ってたことも多いはずです。
つまり、低糖質のお酒を慎重に選んで飲んでも、魔が差してしまうと、結果的にケトーシスから大きく離脱してしまう可能性があります。
2杯目、3杯目のお酒を飲む際には、一旦冷静になることを忘れないようにしないといけません。
友だちと盛り上がると、止まらないってよくあるわね。
ケトジェニックにはこのお酒
スピリッツ
・米焼酎(甲類、乙類)・芋焼酎・ウイスキー・ウォッカ・ジン・ラム・コニャック
いわゆる純度の高いアルコールです。なぜなら、ピュアなスピリッツは、糖質を含まないからです。
しかし、これらのお酒を使ったものでも、「加糖された」ドリンクはNGです。市販のカクテルやハイボールには、必ずと言ってほどに加糖されていますから、購入前には成分表示をしっかり確認しましょう。
ワイン
ケトとアルコールの科学的根拠がわかった今、お酒を楽しむならスピリッツが一番なのは明らかです。しかし、ケトダイエット中のワインはどうでしょうか?一日の仕事を終えた後でも、グラスを楽しむことができるのでしょうか?
ケトジェニックに限らず、ワインの飲み方は人それぞれです。一部のワイン、特に辛口のワインは、適度な量であれば全く問題ありません。夕食時や夜に1杯のワインを飲むことは、ケト・ダイエットにぴったりです。辛口のワインは、1オンス(約30ml)あたりの糖分が約1グラム以下であることが一般的です。ただし、通常の飲み方は5オンス(約150ml)なので、それに合わせて注ぐようにしましょう。
「ワインクーラー系」は、カクテルなので、実際のワインはほとんど入っておらず、糖質が多く含まれています。カロリーや糖質量を確認して、自分に合った飲み方を選ぶようにしましょう。ケトに適したアルコールと思って飲んでいても、栄養表示を見ると賢明な選択ではないかもしれません。
白ワイン※1オンスは約30ml
・ソーヴィニョン・ブラン(1オンスあたり0.6gの糖質)
・ピノ・ブラン:(1オンスあたり0.57gの糖質)
・イタリアのピノ・グリジオ(1オンスあたり0.6gの糖質)
・シャルドネ(1オンスあたり0.6gの糖質)
赤ワイン※1オンスは約30ml
・カベルネ・ソーヴィニヨン (1オンスあたり0.75gの糖質)
・ピノ・ノワール(1オンスあたり0.68gの糖質)
・メルロー(1オンスあたり0.74gの糖質)
※糖質の量が多いワインには、モスカートのスパークリングワインや一部のリースリングワインがあります。
ビール
ビールは、その原材料(大麦、ホップ、酵母、水)を考慮すると、ケト向きであるとは言い難い飲み物です。
大麦は麦芽糖に分解され、これに酵母が作用するため、ストレートリカー(スピリッツやウィスキー)やワインよりもはるかに高い糖質量になってしまいます。
ですが、ケト中のビール愛好家にも希望があります。ライトビールや発泡酒類の中には糖質量が少ないものもありますし、たまに糖質量の多いビールを飲んだとしても、必ずしもケトーシス状態を離脱するわけではありません。個人差のレベルですが。
最近は、糖質ゼロビールや糖質オフビールの種類も大変豊富です。
糖質オフまたはゼロなビール
・キリン「一番搾り糖質0」
・サントリー「パーフェクトサントリービール」
・サッポロ「極ZERO」
・サントリー「糖質75%オフ」
・アサヒ「アサヒオフ・糖質50%オフ」など
糖質オフビールと糖質ゼロビール
食品表示法に則って表記が変わります。100mlあたりの糖質量が2.5g以下のビールが糖質オフで、0.5g未満のビールが糖質ゼロとなります。数字で見るとわずか2gの差です。味わいを大きく左右します。糖質が少ないと味わいはすっきりとなるため、一般ビールに慣れている方にとっては物足りなさを感じてしまうこともあります。
まとめ
ケトジェニック中は、できることなら禁酒がベストです。もともとケトジェニックは、ケトン体の生成において、肝臓への負荷がかかりやすい食事方法ですから、飲む際は、少量で頻度を落として楽しむ程度にしましょう。
せっかく維持しているケトーシスから離脱してしまうと、最低でも2,3日はケトーシスに復帰できないようです。
また、アルコールの摂取は脱水症状にもなりやすい上、ケトダイエットは脱水になりやすい。普段以上に意識して水分補給を心がけること。